日々の学び:『自己組織化とは何か ―自分で自分を作り上げる驚異の現象とその応用』

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「カオス理論」と「複雑系」を学ぼうとすると、「自己組織化」から逃げられないので拝読。後半の章は医療技術の話が増えすぎていたが、前半は自己組織化の導入として非常にわかりやすかった。複雑系と自己組織化を表した秀逸な比喩表現があったので引用。本の見た目と裏腹に非常に丁寧な本だったのでおすすめです。

鎌倉時代の鴨長明の『方丈記』の冒頭。「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとゞまりたる試しなし」。河の流れは絶えることはないが、実はその水は常に変わっていく。水のよどんだところに浮かぶ水泡は、消えたり生じたりして、長くとどまっていることはない−これもまた自己組織化の一つの側面を表している。

結局、少し先の天気はわかるけれども、ずっと先のことはわからない、ただし、わからないといっても、だいたいどの範囲にあるかということぐらいはわかる、ということなのである。

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