日々の学び : グレッグ・マキューン『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』


本サイトでは”現役スポーツアナリスト”の「日々の学び」をブログとして残していきます。

ミニマリストが流行った頃の書籍『エッセンシャル思考』を拝読。ずいぶん前に例の行きつけの本屋の方が、オススメしてくれた図書だ。たしか就職祝いだったはず。

とにかく副業だ、マルチポテンシャライトといった仕事の多様化の逆を行く考え方だ。僕自身どっちも正しいとは思っているが、やはり相対的に物事を捉えるならば、多くを知っているに越したことはないはずだとは思う。

要するにエッセンシャル思考とは、自分の力を最大限の成果につなげるためのシステマティックな方法である。

というわけで「選択と集中」に近いこの本をまとめていく。

エッセンシャル思考と

エッセンシャル思考とは本質的なことだけを選び、トレードオフを意識することだと述べている。

非エッセンシャル思考→エッセンシャル思考
みんな・すべて→より少なく、しかしより良く
やることをでたらめに増やす→やることを計画的に減らす
無力感→充実感

特に大事なのは、「自分で優先順位を決めないと他人の言いなりになる」こと。余計なことに労力を割かれ、エネルギーが四方八方に散ってしまうと。

特に成功する→頼れる人になる→頼られすぎて余計なことが増える→すべてが中途半端になる→方向性を見失う
という負のループをどう防ぐか、というのが主題になっています。

僕の好きな言葉に

Where is the Life we have lost in living?
Where is the wisdom we have lost in knowledge?
Where is the knowledge we have lost in information?

T.S.Eliot

というものがある。アナリストとして日々心がけていることでもある。

エッセンシャル思考を構成するもの

選択

まず初めにやらなければならないことは「選ぶことを選ぶ」ということだそう。選ぶ権利を手放すことは、他人に自分の人生を決めさせることだからだ。

ノイズ

「1984年」と共産主義の例とともに、個人の努力には限界があるという話が出てくる。

努力は大切だ。だが、努力の量が成果に比例するとは限らない。

常にもっとも価値のある仕事に努力しろという話が続く。「より少なく、しかしより良く」。努力する場所を選ばないと、かえって成果が減ってしまうと。

時間をかけてそもそもの選択肢を検討することが一番大切だ。「全部やらなくては」を捨てようという話を読むと、自分の仕事には耳が痛い。

トレードオフ

戦略的ポジションは、別のポジションとのトレードオフなしには維持できない

サウスウエスト航空の成功の例が出てくる。『ストーリーとしての競争戦略』にも出てきた話だ。

何かに「イエス」と言うことは、その他全てに「ノー」と言うことなのだ

常にここを意識しないといけない。常に痛みを伴うものではあるが、トレードオフは無視できないものなので、時間をかけて考えないといけない…

ブログやめろとか言われそうだが。

見極める技術

考える時間を取り戻す

とにかく集中したいときは電話、通信機器全て切って人でも「考えるだけの時間」を無理やり作ることが大切だと著者は言う。通勤などの「ながら考える時間」ではなく「考えるだけの時間」だ。

本を読む時間

ビル・ゲイツが一週間の「考える週」を定期的に作っていたことが話される。著書は毎朝20分、古典を読むそう。とにかく「日常」から離れて自分の時間を作ることが大切だそうだ。この本とは別のきっかけで自分も一日15分必ず古典を読むようにしている。

普通を知り、逸脱を探す

『ストーリーとしての競争戦略』で出てくる「キラーパス」ような話だ。ストーリーとしての常識の中にこそ、クリエイティブさがある、と。

捨てる技術

90点ルール

自己採点をした時に90点に満たないものは全て切り捨てると言う「トレードオフ」の基準だ。かなり思い切っているが、「イエス」と言えないは「ノー」と言う考えが大事です。

キャンセル

始めたものを終わらせる時に感じる「もったいない」を克服しろ、と言う話だ。プロスペクト理論

人間は何かを得るより失う時に痛みを伴う、という理論だ。そこでキャンセルすること、すなわち「失敗を認めること」が大切。失敗は失敗と認めて初めて過ぎたものになる、という捉え方も大切だと思う。

編集の4原則

削除する
凝縮する
修正する
抑制する

https://twitter.com/diceK_sawayama/status/1036997764448546817?s=20&t=U9LUI_WZ0LNsvAioFPWuTQ

このツイートを思い出した笑 やっぱり骨格=本質が大切だと言うこと。

仕組み化の技術

『ザ・ゴール』の例が出てくる。仕組みの中から「ボトルネック」を見つけ、処理するということだ。その仕組みづくりが組織を本質的な価値に近づける。

終わりに

最後の方は、習慣にしましょうという話とエッセンシャル思考を身につけると、人生が楽しくなる的な話が出てきて終わる。

Where is the Life we have lost in living?
Where is the wisdom we have lost in knowledge?
Where is the knowledge we have lost in information?
T.S.Eliot

しつこいほどに引用しますが、アナリストの仕事はこの詩に尽きると考えている。『マルチポテンシャライト』もまとめれば、「あれこれ手を出せ」という話ではない。ちなみにこの詩が『エッセンシャル思考』に出てきてびっくりした。

このブログは、自分にとっての「考える時間」扱いです。実際、インプットの整理に役立っているので、成果=読まれてる/読まれてないにとらわれずに長く続ける習慣にしていこうと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です